絣(かすり)を求めて。インド・オリッサ州にある小さな村に行ってきた

絣(かすり)って何かご存知ですか?サクッと簡単に説明すると、織物の技法の1つ。前もって部分的に染め分けた糸を使って織った織物の総称です。

「絣」というのは日本の織物を指す言葉なのですが、絣に類似した技術は東南アジアをはじめとして世界各地に存在。そして、マレー語で「縛る、括る」を意味する「イカット(ikat)」と呼ばれています。

この絣の発祥の地と言われているのがインド。そして、インドで絣の産地はどこなのかを聞くと、真っ先に挙がるのがオリッサ州。オリッサ絣とも言われています。

今回は、そのオリッサ絣を求めてオリッサ州にある小さな村を訪れました。

 

オリッサ絣を求めて訪れた村「Moujibeg」について

Moujibegはオリッサ州プリーから車で1時間ほど内陸に入った場所にある人口1000人の小さな村。全部で200家族が暮らしてるそうですが、全家族が織物の生産に従事してるとのこと。

この村での織物の歴史は1945年から。意外に浅いです。もっと古いのかと思った・・・笑

プリーから車で1時間の距離です。

 

生産した織物の販売先は政府がメイン

Moujibegで生産された織物は「Pipilithana WCS Ltd」という会社(以下WCSと表記)が全て買い取り、それを政府に販売してるとのこと。また、WCSは糸の仕入れも行っています。

ということで、構図としては以下のようになります。

WCSが糸を仕入れて村の人に織物を作ってもらう織物をWCSが買い取る政府に販売する

政府以外の販売先としてインド国内の大都市に出荷しているそうですが、数はそこまで多くはないとのこと。

あとは、この村以外にも織物生産をメインとした村はあると思いますが、おそらくこのように実質的には政府に管理されていると思われます。(確認はしてません。あくまでも僕の予想です。)

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基本的に観光客は受け入れていない

観光客の受け入れは行っていません。今回僕がこの村に行けたのは、滞在していたプリー・サンタナロッジで働いてるスタッフの地元がこの村周辺で、たまたまコネクションができたというだけのお話なんですね。

英語はほとんど通じない

インドを旅していて、英語が通じるから旅しやすいと思っていましたが、やはり外国人がほとんど行かないような場所に行くと英語が通じません。Moujibegではかろうじて何人か片言で英語が通じるくらいなので、ほとんど通じないと思っておいた方が無難でしょう。

今回、僕が訪れた時はたまたまWCSの役人が来ていたので、その方に色々とお話を伺うことができました。

WCSの役人

 

Moujibegの村の様子

Moujibegでは全家族が織物の生産に従事しています。なので、各家庭に大きい織り機がありました。

 

村の外観はこんな感じ

本当に何もない田舎にある小さな村です。

 

Moujibegに直接行くとオリッサ絣の織物を買うことができる

Moujibegに直接行くと、オリッサ絣の織物を買うことができます。直売なので、非常に安価ですよ!

僕は3つ購入して470ルピー。

 

今回、僕のことを誘ってくれた井口夫婦は織物を爆買いしておりました笑

これだけ買っても5000ルピー程度です。(日本円で9000円くらい。)

 

Moujibegを訪れてみて感じたこと

Moujibegは本当に観光地化されていない場所です。村の人たちも初めて外国人を見たような目で僕ら外国人を興味津々にずっと見てくるんですね。

村長さんらしき人に村を一通り案内されたのですが、僕らの後をずっと付いてくる人も多く「有名人って普段からこんな感じなのかな?」と少し有名人を味わった気分になりました。

 

Moujibegへの行き方

Moujibegへはバスなどの交通機関もあるらしいのですが、非常に面倒な上に村へ着いたところで「何をしに来たの?」みたいな状況になると思われます。

今回は、プリー・サンタナロッジの管理人フォグナさん(日本語がペラペラなインド人)が事前に話をつけてくれました。そして、車をチャーター(ドライバー付)して村へ向かったんですね。

チャーター料金は1台貸切で1日2000ルピー。車は詰めれば7人までなら乗れるサイズの車でした。2000ルピーを人数で割り勘なので、もし行きたかったら宿に泊まってる人を誘った方が安上がりです。

今回、チャーターした車(ドライバー付)

>>プリー・サンタナロッジ公式HP

 

Moujibegに行く時の注意点

水・軽食・トイレットペーパーを持参すること

Moujibegはそもそも観光地ではなく、織物を生産してる小さな村です。なので、レストランはもちろんトイレもなければ小さな売店すらもありません。

なので、飲料水はもちろん小腹が空いた時のことを考えて何かスナックなど軽食を持って行ったほうがいいでしょう。それから、トイレも地元の方の家のトイレを貸してもらうことになるので、トイレットペーパーが必要な人は自分で用意する必要があります。

強制ではないが、お礼に何か商品を買うのが礼儀

Moujibegの村の見学は無料です。無料で数時間ガイドをしてくれます。というわけで、強制ではないですが、何か商品を買うのが礼儀なのかな?と僕は感じました。

とはいえ、ここで織物を買うとびっくりするくらい安いです。上記でも紹介しましたが、爆買いしても5000ルピーほどです。僕は3つ買って470ルピー。生地の質を考えたら非常にお買い得です。

 

さいごに

今回、オリッサ絣を知るきっかけになった井口さん夫婦のご紹介。(一番右は僕です)

町おこし協力隊として岡山県笠岡市で活動してる井口夫婦は、現在町おこしの一環として現地でカフェと宿泊施設を運営しています。

「庄屋屋敷とくら」についてのリンク

>>とくらかふぇ公式Facebookページ

>>とくらかふぇ公式HP

というわけで、岡山県に行く用事ができたらぜひ寄ってみてください!

当Webサイトは井口夫婦の個人ブログでも取り上げていただきました。

>>インド旅その3〜オリッサ絣の産地、織物の村を訪ねる〜