ジャパレスの違法賃金労働についての根本的な問題について。

まず初めに断っておくと、特にオーストラリアで際立って問題になっているジャパレスの雇用問題について。

「最低賃金以下で働かせること」については、そもそも法律違反であり犯罪です。

まずはこれが大前提であるということはこの記事でも表明させていただきます。(これを言わないと色々と言われそうなので先に言っておきます)

その上で、僕自身の個人的見解をこの記事でまとめてみました。

※この記事に対して「最低賃金を守ってるジャパレスもある!」というツッコミが来ると思ったので先に答えておきます。

「そういった健全な経営をしてるジャパレスのことはこの記事では扱ってないので返答に困ります。そしてあるのは知ってます。」

 

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オーストラリアで一体何が起きているのか?

まずは、何も知らない人に向けて一体何が起こってるのか?ということについてのお話です。

特にオーストラリアで問題になっている日本食レストラン(以下ジャパレスと表記)の賃金が低すぎる問題。僕がオーストラリアに住んでいた2014年〜2016年の間でもよく聞きました。

当時、詳しくは覚えてないのですが、法律で定められた最低賃金が時給18ドル(1400円くらい)とかそれくらいだったと思います。(うろ覚えですいません。)

これに対し、ジャパレスの時給は僕が聞いた中で最低は10ドル(800円くらい)。それ以下のところもあるというお話を聞きました。多くは11ドルくらいだったと思います。

ちなみに、その当時僕が働いてたWA州の僻地にあるマイニングサイトの寮の時給は最低24ドル(2000円くらい)。現地では普通というかむしろ低いくらいです。スーパーマーケットですら時給25ドル以上ですから。

ジャパレスがどれだけ時給が低いのかはお分かりいただけたと思います。

こういった低賃金のお店を経営するのは日本人を含むアジア系の人です。そして、日本人ワーホリメーカーの大多数がこういったジャパレスで働いてるor働いたことがあるというのが現状。

このあまりにも低すぎる賃金。しかも最低賃金を大幅に下回っているという点が問題になっています。

なぜ、最低賃金以下で雇うことが可能なのか?

まともに人を雇っていれば、そもそも最低賃金以下での雇用は不可能です。ではどうやって雇っているのか?

実をいうと厳密には雇っていません。キャッシュジョブとも言われ、現金手渡しで給料を渡しています。雇用契約なんてものも書いてません。

なので、極論をいうと観光ビザでも働けてしまうのです。実際に働いてる人もいますし。もちろん違法です。

キャッシュジョブは世界中どこでも実は行われている

これは周知の事実ともいうべきことですが、キャッシュジョブというのはどこの国でも普通に行われています。もちろん違法であることに疑いはないのですが。

「3日間どうしても人手が足りない。ちょっとお金払うから手伝ってよ!」

といって、現金を渡す。これもキャッシュジョブです。厳密には違法になります。

「お金払うから髪の毛切ってよ!」と友人の美容師に切ってもらう。厳密に言えばキャッシュジョブになります。

現金が尽きた旅人がレストランへ行って「なんでもやるから働かせてください!」と言って少しの間だけ働かせてもらう。そして現金をもらうのも本来は違法です。

実は本当はダメだけど内緒だよ!といった具合でどこでも行われています。

オーストラリアのジャパレスは露骨すぎる

オーストラリアのジャパレスはあまりにも露骨に、しかも完全に事実上主力の従業員として働かせているから問題視する人が多くいるのです。

オーストラリアのローカルジョブ(現地の人たちが普通に働く会社)でも一時的にキャッシュジョブで雇うということはあります。

イベントが開催される時とか明らかに忙しくなる時に、短期間だけ働いてもらいたい時とかですね。特に飲食店なんて人手が足らなくなることが多いですから。

もともと、「本当はダメだけど、内緒だよ!」という感じでたまに行われていたものを、露骨にかつ日常的にやっているのがオーストラリアのジャパレスなのです。

なぜ、最低賃金以下でも働く人がいるのか?

冷静に考えて最低賃金以下で働くなんて誰も望みません。では、なぜそこで働く人がいるのか?

ジャパレスのメリット

ジャパレスで働くメリットを挙げてみましょう。(賛否両論あると思いますが一般論として)

・すぐに仕事が見つかる

・英語が話せなくても雇ってもらえる

・未経験でも雇ってもらえる

すぐに挙げられるのはこの3点です。ついでに言うとキャッシュジョブなので、就労許可がなくても仕事が見つかります。(何度も言いますが違法です)

ジャパレスで働くデメリット

・賃金が低い(最低賃金以下)であること

・そもそも違法であること

「英語が話せず仕事の経験もない。もし、すぐに仕事が見つかるなら最低賃金を下回ってでも働きたい」

という人が一定数存在するから、ジャパレスの最低賃金以下問題が存在するのです。強制労働でもなく、実はお互いにとってはWinwinな関係なんですね。

 

なぜオーストラリアのジャパレスが問題になっているのか?

そもそも法律違反だから問題になっている

これは正論です。これに対する反論は一切ないでしょう。最低賃金を守らないのはそもそも法律違反。そして、こんなに露骨にやってたらそりゃ問題にされます。

「英語が話せず仕事の経験もない。もし、すぐに仕事が見つかるなら最低賃金を下回ってでも働きたい」という人があまりにも多い

僕はこのジャパレス問題の本質はここにあると思っています。

そもそも英語圏で働くわけですから、英語圏で現地の人と同じような仕事がしたければ英語はできなければお話になりません。

というか、英語ってあくまでもツールですから。英語で意思疎通が取れた上で「あなたは何ができる人ですか?」という部分から始まります。

「英語ができなくてもなんとかなる!」とあおるインフルエンサーの存在

英語ができなくてもなんとかなると言い切れるのは、誰でも雇ってくれるジャパレスの存在があるからです笑。ジャパレスに感謝しましょうw

ちなみに、「英語ができなくてもなんとかなる!」とあおる人の話は聞かなくていいです。なぜなら、そういう人は周りになんとかしてもらっただけなのに、自分でなんとかしたと勘違いしてる人なので。

最近はSNSなどで一般の人でも影響力のある人が増えてきました。影響力と知識量は比例しません。

例えば、SNSで有名なワーホリメーカーのいうことは全部信じていいのか?といえばそれはNoです。

SNSで影響力のある人は一部を除いて大体は見せ方が上手いだけで本質をわかってない人や、分かってるけど自身のブランディングに影響が出るから言わないだけです。

とはいえ、色々な人の話をネットで見たりして「英語ができなくてもなんとかなる!」と勘違いするワーホリメーカーはとても多いはず。

これは僕のお話でもありますが、確かに僕が初めてワーホリでカナダに行った時はあまり英語が話せませんでした。結果的になんとかなりました。

これは英語ができなくても「なんとかなった」と結果的には言えますが、実際は「なんとかした」です。がむしゃらに動きまくってなんとかしただけです。

とてもじゃないけど、気軽に「英語ができなくてもなんとかなる」とは言えません。つまりはそういうことです。

ローカルジョブで英語を鍛えよう!とあおる留学エージェント

まず初めに僕が断言します。ワーホリを扱う留学エージェントは全部クソです。

つまり、留学エージェンントとコラボしてるワーホリ経験者のインフルエンサーも「胡散臭いorあまり分かってない」ということ。つまりは信用する価値はありません。

本質を分かってる人であればコラボを持ちかけられても絶対に断るから。断らない人の理由は、本質を分かってないか、知名度を上げたいかの2つですね。

こちらの記事でも少し触れています。

>>留学エージェントが絶対に教えてくれないワーキングホリデーの不都合な真実

なぜ信用するに値しないのか?理由は明確です。語学留学とワーホリは全くもって別物だからです語学留学に関してはスペシャリストだと信じていますが・・・

語学留学は文字通り語学の勉強をするために行くものです。なので最終目標は語学の上達です。

ワーホリとはワーキングホリデービザの略称です。お金を払えば手に入るビザで1年間の就労許可が付いたビザでもあります。

そのビザを使って皆さん思い思いに私たちの国を楽しんでいってください。就労許可を与えるので生活費も稼げますよ!というのがワーホリビザ。

誰がワーホリで英語を鍛えようなんて言い出したんですか?紛れもなく留学エージェントです。

だから僕はワーホリを扱う留学エージェントはずべてクソだと断定しています。まず、ここからして多くのワーホリメーカーを洗脳していますから。

「ワーホリビザで海外で働くには英語が必要です」は正論。「英語を勉強するのには留学がおすすめです」は正論。でも、語ができれば仕事が見つかりますよ」は違います。

この「英語ができれば仕事は見つかりますよ」という謳い文句で、多くの留学エージェントはワーホリメーカーを集客しています。

そして、多くのワーホリメーカーは大して仕事も見つからず途方に暮れるわけです。なぜなら仕事探しで最も大事なのは「仕事の経験」だからです。

履歴書にかける仕事の経験はありますか?レストランであれば飲食の経験は過去にありますか?ということです。

こうして、ネットでインフルエンサーの言うことをまともに信じてきた人や、留学エージェントを信じてきた人の大半のが、仕事が見つからずお金が尽きそうになり、行き着く先がジャパレスなわけです。

有名だから、フォローワーが多いからと言ってそれだけで信用するには値しません。不本意にジャパレスにたどり着いてしまう人は情報の取捨選択はもう少し慎重にしたほうがいいでしょう。

ジャパレスはまだ需要がある

僕自身はジャパレスの賃金問題について、たしかに低すぎるよなぁとは思うものの否定はしていません。

何か言われるたびに「嫌なら辞めればいい」「嫌なら自分の希望に沿うところで働けばいい」というスタンスを貫いています。理由は、需要がなければ供給も生まれないからです。

これだけ最低賃金以下での営業が続いてるにもかかわらず、淘汰されないということは需要があるということです。

一番恥ずかしいと思う行為は、ジャパレスで働きつつジャパレスをディスること。嫌なら辞めればいい。結局はジャパレスに頼らざるを得ないあなたが悪いのです。

誰も働かなければ、そもそもジャパレスの最低賃金以下問題は勝手に収束するわけですから。だから僕はジャパレスの最低賃金以下問題そのものは否定していません。

それに、そんなにディスる暇があるならフェアワークに訴えればいい。自分が働いてる証拠なんかを押さえて訴えれば勝つ見込みは十分にあります。

このように解決策が分かり切ってる以上は特に問題視はしていません。

僕が問題視してるのは、そういった勘違いしてワーホリに行く人を生み出す原因となる留学エージェントやインフルエンサーの存在の方です。

彼らは多くのワーホリメーカーの時間を奪ってるようなものです。こういう人や組織こそ僕は根絶させるべきだと考えています。とはいえ、法を犯してるわけではなく物理的に考えてそれは無理です。

なので、自分自身で情報の取捨選択の精度をもっと上げるようにしましょう。

明らかに良いことしかいてない人とかを疑ってみるとか。感情論であおってくる人を疑ってみるとか。何でもかんでも信じてバカを見るのはあなた自身ですよ。