日本人経営の旅行会社から内定をもらった僕は2013年9月にカナディアンロッキーの山々に囲まれた街バンフに移住。仕事に必要なClass4のライセンス(中型バス)の取得を目指しつつ、期間限定でホテルのハウスキーパーとして働いてました。
そして、11月下旬に無事にClass4を取得。そして、12月から働き始めました。
冬の間の仕事は主に観光客の送迎
僕が所属していた旅行会社は冬の期間も仕事がありました。どういうことかというと、バンフにある旅行会社って主に夏の観光シーズン(5〜10月)しか仕事がないんですよ。自然豊かな景色を堪能できるのがこの時期なんですね。冬場も仕事がある旅行会社って他にあるのかな?そこらへんはよくわかりません。
冬場の仕事は主に送迎。バンフって夏は観光、冬はスキー、スノーボードのお客さんで常に繁忙期です。僕がバンフでは仕事がすぐに見つかると言っている根拠はこれです。年中シーズンなんです。厳密には10月中旬〜11月中旬あたりが一応オフシーズンですけど。
話を元に戻すと、冬の間は2つのグループに分かれました。
- バンフを拠点にカルガリー空港からインバーミアまでの送迎。
- インバーミアの街からスキー場へのシャトルバス
僕はシャトルバスの担当になったので、12月からインバーミアに住むことになりました。
バンフの旅行会社で冬の間にも仕事があるメリット
僕は現地で初めて知ったことなんですけど、バンフで観光ガイドをしてる人って永住権狙いの人が多いです。永住権の申請ってポイント制で、例えば高卒<大卒<院卒のようにどんどんもらえるポイントが多くなってきます。それから、英語力だったりカナダでの就労期間であったり。
そう言った色々な項目のポイントを足していって、基準に達したら初めて申請できるというシステムなんですね。冬場も仕事があると、就労期間が稼げるんですよ。なので、永住権を狙う人には好都合です。
日本人相手の観光ガイドはビザが降りやすい
観光ガイドって1回雇うと基本的に2年目からはビザを支給してくれます。就労ビザを申請してくれるってことですね。飲食店だったりホテルはそこがきわどいんですよ。なので、永住権狙いの人が観光ガイドになる場合が多いです。
就労ビザって要するに、会社が移民局に「この人にビザを支給してください!」ってお願いして、申請した会社でのみ働くことが許されるビザです。
その際に、移民局は「なんでこの人じゃないといけないの?」って理由を聞いてきます。理由は自国民(カナダ人)の就労を優先させたいから。
飲食店やホテルってその部分で引っかかりやすいんですよ。誰でもできるので。(シェフは別)だけど、日本人経営で日本人観光客相手の旅行会社だと日本語が話せないとお話にならないですよね?だからビザが降りやすいんです。こういうカラクリがあるんですね。
就労ビザは申請した会社でしか働くことができない
バンフにある旅行会社のほとんどは夏の期間しか仕事がありません。1年目はほとんどの人がワーキングホリデービザで働くので冬場はホテルや飲食店で働くことができるんですけど、2年目からはそれができません。理由は就労ビザで滞在してるから。
就労ビザは申請した会社でしか働くことができないので、旅行会社で申請した就労ビザではその旅行会社でしか働くことができないんですよ。なので、夏の期間でお金を貯めて冬場は観光ビザで滞在してスキー・スノーボードを楽しむ人。帰国してバイトするなど人それぞれですね。
冬場も仕事があるメリットって永住権がらみなので、永住権を意識してない人からしてみればどーでもいいことです。
就労ビザで働くデメリット
就労ビザって個人的には「奴隷ビザ」だと思っています。語弊があるといけないので予め断っておくと、すべての会社に当てはまるわけではありません。ただ、バンフにある旅行会社でもちらほらと悪い噂は聞きましたね。
申請した会社でしか働くことができないので、会社のいいなりにならざるを得ない
就労ビザのデメリットってこれに限ります。永住権狙いの人にとって一番怖いのは「もう就労ビザ発行しないよ?」っていう社長の言葉です。要するに永住権のために会社のいいなりにならざるを得ないんですよ。
バンフに1年間住んでいて、日本人ガイドの方とお話しする機会も何度かありましたけど、「永住権狙ってなかったらこんなクソ会社さっさと辞めてるし」なんて言葉はわりとよく聞きました。給料が低いとか、就労時間が長いとか、パワハラだったり不満は人それぞれです。
会社にとっては本当に都合のいい存在ですからね。だって、就労ビザをエサにすればなんでも言うことを聞いてくれるんですから。永住権狙いの人にとって就労ビザは命綱です。
就労ビザの問題はおそらく世界中で問題になっている
これって、カナダに限らず各国で起こっているはず。僕が今住んでいるオーストラリア・カラサでもこういった問題は起きています。僕が夜働いてたレストランのシェフが6人全員スポンサーシップビザ(カナダでいう就労ビザ)だったんですけど、週45〜50時間労働でヘッドシェフの給料が週800ドル(固定給)。他のスタッフはもう少し低いはずです。ちなみに全員ネパール人。最低賃金ギリギリなんじゃないかな?
僕は週30時間働いて750ドルくらいだったかな?(ポジションは皿洗い)時給制なので働けばその分給料はもらえます。
就労ビザってこういうことが起こる場合があるんですよ。もし、この給料に文句でも言って「んじゃ次から就労ビザ発行しないわ!」なんてボスに言われたら彼らはネパールに帰国しないといけません。シェフなんて探せばいくらでもいますし。
ちなみにカラサの町全体の平均年収は約9.2万ドル。週2000ドル弱ってところです。ヘッドシェフの2.5倍です。それだけ彼らが低賃金で働かされているということです。
そして、ここのオーナーはWA州の40歳以下の経営者の部門で表彰されています。皮肉なもんですよ。確かに数字は残してますからね、人件費を削って。ワタミかよ!って笑
ちなみに、僕がいた旅行会社はどうかというと、そこまで悪質ではないですね。まぁ〜良いように利用されたなぁって感じです。タダ働きが結構多かったですね。その代わりムダに食事会が多く、社長からしてみればそれで還元していたつもりだったんでしょう。食事会とかいらないから、さっさと寝たり家でくつろぎたかったってのが本音でした。
現地でこういった裏事情を知って、気持ちが萎えた
わざわざ会社を辞めてガイド業に携わろうと思ってバンフに来たわけですからね。まさか、ガイド業界が永住権という利権がらみでドロドロだとは夢にも思いませんでした。もっと夢のある職業だと思ってたんですよね。当時は本当に考えが甘かった。こればかりは反省です。
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