2017年6月19日午前1時。僕はオールドマナリの指定された場所で待っていました。この日は14人乗りのミニバスで約20時間かけてラダックエリアの中心都市であるレーへ向かうことになってたんですね。
事前の情報でもこのルートは標高5000m以上の峠を3回超える。それからかなりの悪路だということは聞いていました。とはいえ、標高5000mは南米を旅行した時に経験したし、マナリ(標高約2000m)で3日間滞在してある程度高度順応はできたかな?ということもあってまぁ大丈夫だろうと思ってました。
実際にマナリ〜レー間をバスで通ってみて僕はそんな軽い気持ちで乗車したことを本気で後悔したんですね。これはナメないほうがいいということで、今回はマナリ〜レー間がどんな感じできついのか?というのを記事にまとめました。
マナリについてはこちらの記事に詳しく書いています。
>>インド・マナリの詳細まとめ。本当にバックパッカーの聖地なの?
マナリ〜レー間のバスはなんでキツいのか?
標高5000m級の峠を3回超える
確か3回だったと思いますが。標高5000m級の峠を越えては降りてというのを繰り返します。この時に頭が痛くなったり気持ち悪くなって吐き気を催す人も出てきます。要するに高山病ですね。
僕の場合、吐き気はなく頭痛で済みましたが、食欲が全くなくなりました。結局、マナリを出発した日に固形物は全く食べていません。口にしたのは水とチャイとキャンディだけです。僕の周りでも頭痛、吐き気、食欲不振の症状が表れた人は多かったです。
長時間の移動(19時間)
僕が移動したときは午前1時半に出発して20時半頃到着したので約19時間。この19時間で標高約2000mのマナリから標高5000m級の峠を3回越えて標高3500mのレーに向かうことになります。この19時間の間、多くの人が高山病の症状で苦しむことになるでしょう。僕も本当に辛かったです。
到着地(レー)の標高も高い
到着地のレーも標高3500m。標高5000mの峠と比べたら低くて楽に感じるかもしれませんが、それでも富士山より約300m低いだけ。標高3500mというのは高山病になるためには十分な標高です。
これが最終的に標高1000mだとか、もしくは0mのように低い場所であればどれだけキツくても着いてしまえば高山病の症状は消えるのですが。
目的地であるレーですら標高3500mなので、バスの中で高山病に苦しんでなおかつ現地でも高山病の症状に苦しむ人は意外に多いです。僕もそのうちの一人です。僕の場合は食欲不振と頭痛でした。
「レーまで飛行機で行ったほうがいい!」とは言えない理由
実は、レーまではインドの首都デリーから飛行機が定期便で出ています。バスで行くにはデリー→マナリ→レーと乗り継ぐ上に最速でも2〜3日かかる道のり。そして、この記事でも書いた通りめちゃくちゃキツい。飛行機であればわずか100分で着いてしまうんです。だったら飛行機で行けばいいんじゃないか?と思うかもしれませんが、そうとは言えません。
レーで高山病になる可能性が高い
これを言うと「バスで行ったって高山病になってるでしょ?」と突っ込まれるかもしれませんが。飛行機で行くと、いきなり標高3500mの場所に行くことになるので、体が標高の高さに慣れず高山病になるリスクが非常に高いです。
バスで向かうというのは高度順応も兼ねている
バスで行く場合、まずはマナリで泊まります。マナリは標高約2000m。ここで2〜3泊もすれば多少の高度順応ができます。その後、マナリからレーへ移動するので、高度順応という面で見ると飛行機より圧倒的に有利です。確かに高山病の症状が出る方が多いですが、徐々に標高を上げることになるので飛行機よりは慣れやすいと思います。
飛行機でレーに行ったら数日間は何もできない
現地の旅行会社の人にもお話を聞きましたが、飛行機で来た方には現地(レー)に到着してすぐにツアーの参加はオススメしていない。とのこと。これは、高度順応できてないうちにツアーに参加しても高山病で苦しむだけだからです。とはいえ、バスの場合は行くだけで数日間かかるのでどっちもどっちですね。
レーまではバス・飛行機それぞれにメリットとデメリットがあり、一概にどちらがいいとは言えない
上記のことから、「バスはめっちゃキツいから飛行機をオススメする!」とは言えません。飛行機で行く場合もそれなりにデメリットがあります。
ただ、よほどのドM。もしくはよほどの金欠でもないかぎり帰りは飛行機でいいのでは?と思います。僕はあんなに苦しい思いは2度としたくないと思い、帰りは迷わず飛行機を使いました。デリーは高山病になるような標高ではないですし。
もし、レーで高山病になってしまったら
とにかく水を飲む
レーは乾燥していますし、標高も高いのでとにかく水を飲みましょう。僕が聞いた話では水を飲むということは、水に含まれている酸素を補給するということにもなるそうです。僕は現地で一日3〜4Lの水を飲んでいました。これは高山病になってからも有効ですし、高山病の予防法としても有効です。
日中は寝ない
寝ると呼吸が浅くなるので、標高の高いところでの昼寝は避けたほうがいいと言われています。また、高地に着いたら、休むのではなく周辺を散策して体を動かしたほうが体に酸素を取り込みやすく、高山病対策になるというお話も聞きました。
薬を飲む
その他、ダイアモックスという高山病の薬(利尿剤)。や頭痛を抑えるためにロキソニンを飲むといったものもあるそうですが、僕は医療関係者ではないので薬関係については省略します。この類は医者の方に聞いてください。
デリーに飛行機で戻る
本当に体調が優れない場合は飛行機でデリーに戻りましょう。僕も当初の予定を大幅に短縮してデリーに飛行機で戻りました。高山病は無理をすると最悪死にます。なので、これは無理だなと思ったら見切りを付けてデリーに戻りましょう。これが最善かつ最速の対処法です。
※2017/6/26追記
ラダックに詳しい方?からの意見をTwitterでいただいたのでこちらに貼り付けておきます。こちらの意見も参考にしてみてください!
ラダックのレーで高山病を発症した場合の最善の対応策は、「病院に行って、酸素吸入と医師の診断を受ける」ことです。自分一人で何とかしようとしないのが一番です。あと、やばくなったらすぐにレーの病院に行けるという点では、高地で長距離を移動する陸路より飛行機の方が低リスクです。 https://t.co/BP2VZYZmft
— Days in Ladakh (@ymtk_ladakh) 2017年6月25日
最近は、レーのソナブノルブー病院まで行かなくても、メインバザールのツーリストインフォメーションに「酸素バー」なるものができていて、具合が悪いと診断された人は酸素吸入を受けられるみたいです。僕は前に「吸っていい?」と聞いたら「お前全然元気じゃん」と断られました(笑)
— Days in Ladakh (@ymtk_ladakh) 2017年6月25日
高山病は、かかりやすさや症状の重さなど個人差がかなり大きく、人によって千差万別です。高地に滞在した経験のない人が、不十分な予備知識で自分の症状を判断するのは危険です。つらくなったらすぐ病院へ。医師の判断を仰いでください。 https://t.co/OjKzWW4D0r
— Days in Ladakh (@ymtk_ladakh) 2017年6月25日