外国人として海外で働くということ
日本でもたくさんの外国人の方が働いています。
日本人として日本で働いていると特別に大変ではないことが、外国人にとってはとても大変な事だったりします。
この記事をきっかけに海外で働くという事がどういうことなのか興味を持っていただけたら幸いです。
※ここでは現地採用を前提に記事を書いています。海外赴任、ノマドワーカー等の現地採用以外の事は対象外とします。
ビザについて
外国人の立場で働く場合は就労が許可されたビザが必要です。皆さんが旅行で海外に行く際も基本的には【観光ビザ】が必要です。ただ、日本人は多くの国でビザの免除が降りているので実際にビザを取得しなければならないのは一部の国ですが・・・
ただ、この観光ビザには基本的に就労許可がありません。就労する場合は就労許可のあるビザが必要になります。
外国人が海外で働ける条件は一般的に以下の2つです。
- 就労許可のあるビザを所有している
- 配偶者が永住権を持っている人、就労する国の国民
日本人が海外に行くと現地では【外国人】になります。
ワーキングホリデービザ
僕は今までにカナダとオーストラリアで色々な職場で働きましたが、僕が使ったビザは【ワーキングホリデービザ】と呼ばれるものです。このビザは条件が色々ありますが現地で働く事が許可されたビザです。
日本は2016年現在12カ国とワーキングホリデーの協定を結んでいます。
その中で日本人に人気な渡航先は以下の3つのような気がします。
- カナダ
- ニュージーランド
- オーストラリア
ワーキングホリデーの協定国についての情報が欲しい人は日本ワーキングホリデー協会のホームページを参考にして下さい。
スポンサーシップビザ
これは所属している各会社が何かしら申請して許可が下りるビザです。名前の通りスポンサーとなってくれる会社でしか働く事ができません。ワーキングホリデーの人が永住権を目指す上で職場にこのビザをお願いして発行してもらうのが一つの流れになっています。※ビザの名前は各国で異なります。
他にも色々な種類のビザが各国であります。例えばオーストラリアでは学生ビザで週20時間までという条件付きですが働く事ができます。
あとは、スキルドワーカーと呼ばれる各国ごとに指定した専門技術を持った人に下りるビザ。国によっては大学を卒業すると数年の就労許可が下りるというもの。投資ビザといって、国に数千万単位のお金を無利子で何年か預ける事条件にビザが下りるもの。その国で起業する人に下りるビザなどがあったような気がします。
海外で働きたい人はまずビザについて調べましょう。
海外で仕事を見つける
僕はカナダとオーストラリアで働いたので、そのときの経験を元にここではまとめます。
上記の2つの国は日本のように新卒一括採用というシステムはありません。随時採用が基本です。というより日本の新卒一括採用、終身雇用制度というのがかなり珍しいですよね。
仕事を見つける方法は思いつく限りで以下の通りです。※就労許可を持っている。もしくは会社がスポンサーになってくれる事が前提です。
- 求人サイトで検索
- 地道に履歴書を直接持っていく
- エージェントに登録
- 企業からのオファー
- 起業
ワーキングホリデーの人は主に【求人サイトで検索】、【地道に履歴書を直接持っていく】、【エージェントに登録】の三つでしょう。たまにオファーをもらう人や起業をする人もいるのではないでしょうか。
スポンサービザの人は【企業からのオファー】がほとんどでしょう。たまに求人サイトでスポンサーも込みでの求人もあるような気がします。何回かそういった求人をみかけました。
ここでは僕自身の経験を元にオーストラリア、カナダでのお話をします。
ワーキングホリデーの立場で仕事を見つける
仕事を探す際にワーキングホリデーという立場で仕事を探すのは非常に苦労すると思います。カナダではタイミングも良く仕事探しに苦労しませんでしたが、オーストラリアでは非常に苦労しました。
カナダのワーキングホリデービザは1年間のビザをもらえますが、同じ会社で一年間ずっと働く事ができます。それに比べてオーストラリアでは一雇用主の元で半年間しか働く事ができません。※セカンドビザを踏まえても合わせて一年間が限度です。※セカンドビザ:指定地域の指定された職種で約90日間働くと申請資格が得られるビザです。
※追加情報(2016/5/26)
一部エリアで半年間の制限が条件付きで解除されました。
ワーキングホリデーの人はほとんどの場合肩書きのない下っ端のスタッフとしての採用でしょう。レストランのキッチンハンド、ホテルのハウスキーパー、店のレジ係などです。
カナダ・オーストラリアともに採用の際にもっとも重要視されるのは「国内での経験」です。
僕が感じた優先順位は
国内での経験≧英語圏での経験>自国での経験>>>>未経験
の順番です。
国内での経験の中でも、仕事探しをしている街ですでに同じ職種で働いた経験があるとより優先順位が上がると思います。これは、どの程度働く事ができるか想像できるからだと思います。
また、僕が感じた採用される人の優先順位は
現地の国出身>英語圏出身>非英語圏出身
の順番です。
現地の国出身の中でも地元の人はより採用されやすいです。
ビザに関してはもちろん永住権を持っている人は他の一時滞在ビザの人より採用されやすいでしょう。特にワーホリの人は一時滞在ビザの中でも一番優先順位が低いです。
国内出身の人・永住権>>>>>一時滞在ビザ
僕たち日本人は【非英語圏出身】になります。そして、何も経験がないと【未経験】になります。ワーホリの人は【一時滞在ビザ】です。
ワーホリで非英語圏で未経験は一番採用されづらいです。
それではどうすれば良いのか?
経験がないのであれば大都市にある日本食レストランで経験を積むのが良いと思います。日本食レストランの賃金は法定賃金以下の違法就労の場所が多いのですが・・・そこで働く事によりレストランにおいて【国内の経験】を積む事ができます。
経験は非常に重要な要素で、経験があるのとないのでは天と地の差です。また、大都市で仕事を探すのではなく、人手が足りない街で探すのが良いでしょう。
大きいホテルのハウスキーパーはたくさんの人数を必要とするので場所によっては経験がなくても仕事がもらえたりします。
スポンサーシップビザで働く
※カナダでは「スキルドワーカービザ」という名前だったような気がします。日本人の間では「就労ビザ」と呼ばれていました。
スポンサーシップビザは職場の環境によっては左右されます。というのも、オーナーの中にはスポンサーシップビザをスタッフに与えた上でスタッフを奴隷のように扱う職場があるからです。具体的には安全性の問題の欠如、低賃金、パワハラなど。
僕がオーストラリアで夜に働いているバーのシェフは全員ネパール出身でスポンサーシップビザで働いています。あらかじめ週あたりに働く労働時間が決められているのですが、それでは仕事が回らないので残業します。残業代は出ません。
仕事内容も明らかに要領オーバーです。
それでも彼らはオーナーにあまり強く言えません。なぜなら彼らはクビになると他の会社では働けないのでネパールに帰らなければなりません。ネパールよりはるかに賃金が良いので彼らは我慢します。オーナーも彼らが辞めない事を知っています。なぜなら彼らがスポンサーシップビザだからです。
こういった例は探せばいくつも出てくると思います。
参考記事
上記の参考記事は僕が書いた寄稿記事です。もともとこの2つの記事を一つにまとめていましたが、寄稿する際に2つに分けました。同じ旅行会社の事を書いています。
スポンサーシップビザを取得する場合は良い職場を見つける事が重要です。
スポンサーシップビザで働く事により就労年数やその他の条件をクリアすると永住権の申請資格がもらえるので、そんな劣悪な環境下でも耐えて働く人がいますが、大変だと思います。
言語の問題
日本人が海外で仕事を得る場合、日系の会社など特殊な場合を除き現地語を使用する環境がほとんどだと思います。ここでも、オーストラリア・カナダの話になりますが、よく聞かれる事の一つに「英語ができなくても仕事は見つかりますか?」というものがあります。
僕の経験上、ワーキングホリデービザの人がやるようなポジション(キッチンハンド、ハウスキーパーなど)は人手が足りない場所は語学関係なく採用します。
ただ、雇用主からすると「英語ができることは前提」という考えがあります。
実際に採用して、全く英語ができなくてどうしようもなければ新しい人が見つかり次第クビになるでしょう。もしくはすぐにクビになるのではないでしょうか?
例えば、英語が全くできなくても身振り手振りでなんとか意思が通じ、仕事に関してはかなりできる人であればどうでしょうか?
オーナーからすれば「英語はできないけど仕事はきっちりやってくれるし、まぁいいか」となりませんか?
日本人は真面目に働けば世界的に見てかなりの働き者です。仕事を見つける際に英語ができるかどうかは多少関係ありますが、想像しているほど関係があるとは思えません。
無事に仕事が決まってからが非常に大事です。非英語圏の人は英語圏で働く際に語学の面ですでにハンディキャップを背負っています。その穴埋めを仕事内容で埋め合わせするくらいの気持ちでやらないといけないと僕は思っています。
スポンサーシップビザの場合はそもそもビザを取得するのに語学力が必要な場合もあります。英語圏であればIELTSなどのスコアです。自身の就労先の国のビザを調べてみて下さい。
いかがでしたか?
これからワーキングホリデーなどで海外に行く人、アテもないけどひとまず海外で仕事を探してみる人など、海外での就職を目指してる人にとって参考になれば幸いです。