今回は、ファーム街Gayndahで出会ったとある女性(Sさん)のお話を綴っていきます。GayndahはQLD州にあるマンダリンが有名な町で、バンダバーグから南西に約160km、ブリズベンから北西に約300kmのところにある人口約2000人の小さな町です。
この町で働くには車の所有が必須で、車がないと仕事があってもなかなかもらえません。ジョブセンター(仲介役)も車を持ってる人優先で仕事を紹介するからです。
この女性は車を持たずにGayndahに来てしまったんですね。そして、どのような過程を経て結局どうなってしまったかを綴っていきます。
車を持たずにGayndahにやってきた
Sさんはなんと車を持たずにGayndahにやってきたんですね。成り行きはこんな感じ。
Gayndahって当時はほとんど日本人に知られてない街だったんです。それなのにやたら日本人を見かけるなと思ったら、日豪プレスに日本語の流暢な韓国人がゲインダーのレモン及びマンダリン、ライムファームでピッカーを募集します。という求人を出してたんですね。
彼はGayndahでシェアハウスを2つ運営していて、仕事を手配するという条件で自分のシェアハウスを紹介してたんですよ。
実際は彼自身がファームの人事を握ってるわけではなかったんですよね。この求人につられて日本人がたくさんやってきました。
他にも僕が把握していた中で車を持たずに来た日本人は5〜6人くらい?たくさんではないかもしれないですね・・・笑
この求人広告に釣られてSさんもGayndahにやってきました。仕方ないですね、これに関しては。
ちなみに、車を持たずに来た日本人の多くはすぐに撤退しました。理由は様々でしょうけど、「車がないとキツい」と感じたのは間違いないはず。一切のピックアップがないので、車を持ってる人に頼らざるをえないからです。
そして、この求人広告に関してですけど、ワーホリメーカーの韓国人が自身の働いてるファームのオーナーにゴリ押しで紹介していただけで、求人なんて出ていませんでした。人数が増えた分、仕事量が増すので仕事の日数が減る。僕は彼と同じファームで働いていたんですけど、本当に大迷惑でしたね。
車に関しては、例の韓国人が車を1台持っていたのと、彼に協力していた日本人女性が車を持っていたので、ピックアップに関してはなんとかなると読んでいたのかもしれません。のちに僕に罵倒してきた例の女性ですね。
僕のところから出て行った(というより追い出した)彼はたまたまGayndah内に面倒見のいい日本人女性と日本語が流暢な韓国人男性に拾われる形で、彼らと一緒に過ごしていたそうです。
僕はその韓国人男性とは面識があったんですけど、女性とは面識がほとんどありませんでした。Hさんはその日本人女性に何を言ったのか知らないですけど、僕のことをボロクソに罵倒してきましたね。知らない人に面前で意味もわからず怒鳴られたのは初めてでした。
Sさんは車持ちの僕らとの関係を築いていった
多くの車を持たない日本人が撤退していく中で、SさんはGayndahに残ることにしたようです。僕や僕と当時車をシェアで買った日本人2人は例の韓国人と同じファームだったため、Sさんとは必然的に知り合いました。
Sさんは何かあるごとに、ハウスオーナーである韓国人ではなく僕らに車出しをお願いしてきたんですね。(ちなみに、家もお互い徒歩圏の距離だった)
そのうち、僕らのグループのうち1人がSさんに惚れてしまい面倒なことになってしまいました。
当時の僕は3人で車をシェアしていた。そのうちの1人がSさんに惚れてしまった。
3人のうちの1人はワーホリ中の僕が遭遇した「ワーホリメーカーはぜひ反面教師にしてほしい」とある男性のお話で綴った例のとある男性Hさん。もう1人はSさんに惚れてしまった男性。ここではRさんとでもしておきましょう。
Rさんは毎日のようにSさんを買い物に連れて行ったりドライブをしたりしていました。仕事がオフの日なんかは2人でバンダバーグ(往復約300km)やブリズベン(往復約700km)まで遊びに行ったりもしていましたね。
ちなみに、男らしくSさんにガソリン代を払わせないのは別にいいんだけど、ドライブ後にガソリンを補充せず、しばらくしてからガソリンを入れた際にしれっと割り勘で僕にまで請求してきたのは意味がわかりませんでした。そして、のちに僕が「それはおかしくないか?」と言ったら30ドルだけ返ってきました。
それにRさんはフィリピンで語学留学をするとか言ってたので「お前、貯金するんじゃないの?」ってずっと疑問に思っていたんですけどね。ガンガンお金を使っていました。(結局、お金が足りず親に数十万円を借りたらしい。その後なぜか約10万円の最新iPhoneを買っていた。)28歳でそれはないだろ?って思いました。
話を戻すと、恋は盲目なんて言いますけど、まさにこのことです。SさんはそんなRさんの恋心を完全に利用していました。見てて本当に痛かった・・・
Hさんを追い出す下準備のために、Sさんを条件付きで僕らの仲間に加えた
1月末にマンダリンの間引きの仕事が終わってしまい、全員無職になってしまいました。
僕はHさんがあまりにもお荷物すぎて本当に耐えられなかったんですね。仕事がある分にはいいんですよ。僕自身も当時は本当に金銭的にも精神的にも余裕がなく、その上に無職で仕事を探さないといけない。となると、何もかも他人に任せるお荷物なHさんなんて、本当にただの邪魔な存在でしかなかったんですね。
仮に彼を追い出すには、出て行かざるをえない状況を作らないと面倒になる。(ただ出て行けと言っても彼は納得しないだろうし、何もできないので出て行くことすらできない)
なので、僕は例の求人で車を持たずにやってきた男性Yさんに僕らのグループに加わるように誘いました。例の韓国人には嘘ばっかり付かれていたので、この誘いは断らないだろうなと僕は読んでいたんですね。
そして、Sさんも僕らのグループに加わりたいと懇願していていたので、条件付きで加えることにしました。
- 仕事は基本的に3枠(僕、Rさん、Yさん)で探す
- もし、4枠あったら仕事仲間に入ってもいい
- 3枠しかなかったら残念だけどSさんには仕事を与えられない
この条件にSさんは首を縦に振ったので、条件付きで仲間に加えました。
車の名義を「Hさん→僕」に変更した
最後に、車の名義を僕に変更しました。本人同伴でないとできないのでHさんを適当に言いくるめて同伴させて、レジ代も払わせました。確か600ドルくらい←(クズの極み)
※NSW州→QLD州への変更も同時にやり、NSW州のレジが10ヶ月余った状態で変更しました。この10ヶ月分は申請すれば500ドルくらいは戻ってくるので、手続きの際に受付の人から聞いて、その申請先をHさんに伝えたんですね。「ここに申請したらお金が戻ってくるよ」と言って。ただ、英語が全くできない彼にそれができないのは分かりきっていました。
こうしてHさんを外す下準備を整えたんですよ。はっきり言って、この時にやった僕の行動も本当にクズです。でもこの状況下でできることと言えばこれしかなかった。今まで、散々面倒を見てきたので、それとこれでチャラですよ。
本当にお荷物で大迷惑なHさん。車がなく自分の意思で仕事を探すことができないYさんとSさん。この2つの状況を無理やり掛け合わせた苦肉の策です。最後にRさんにも了解を経て実行しました。
生きていくとはこういうことなんですよ。もし、生き残りたかったら自分の身の回りのことは自分でできるようになりましょう。
Sさんは欲張ってしまい、僕らから見放された
この後、4人全員が働けるレモンピッキングの仕事が見つかりました。この仕事が見つかる過程も本当に奇跡的だったんですね。
当初の求人内容は男性経験者1人のみの採用。僕ら4人(僕・Rさん・Yさん・Sさん)の中で男性経験者はYさんのみ。ただ、Yさんは車の所有者ではないので僕とRさんが許さない。
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未経験者でもOKになる。でも女性はダメ。なのでSさん以外は働けることに。もともとSさん以外の3枠で探していたこともあり。これで解決。Sさんは残念ながら仕事が手に入らなかった。
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女性未経験者も結局働けることになる。こうして4人全員働けることになった。仕事は1週間後。
この翌日に電話がかかってきたんですね。「明日から別のファームで働けないか?」という内容でした。当初決まった仕事が始まるまで、別のファームで働いて欲しいという内容だったんですね。もちろん断る理由なんてないです。内容は同じくレモンピッキング。
そして翌日からレモンピッキンが始まったんですけど、これがまた全然稼げない。時給換算で7ドルくらいです。そして、Sさんは1日で辞めました。
そして、例の韓国人男性がマンダリンの間引きの仕事を見つけたようで、Sさんはそちらに加わったんですね。SさんはRさんを通して辞めることを伝えただけで、僕らに直接言うことはありませんでした。間引きは時給制なので時給換算で7ドルのレモンピッキングよりは、はるかに稼げますよ。(時給21ドル)要するに完全に裏切られたわけです。
そのマンダリンの間引きの仕事が1週間くらいで終わりSさんは再度無職になりました。
S:「そっちのグループ(僕らのグループ)に戻りたい」
僕:「ごめん、意味がわからない!(ざまぁーみろwww)」
R:「戻りたいって言ってるんだから、戻してあげようよ」
Y:「いや、それはないだろwww」
この当時、すでに当初決まっていたファームの仕事が始まっていてSさんは辞めたとオーナーには伝わっていました。Sさんが僕らのグループにどうしても戻りたいと懇願してくるんですけど、拒否ですね。自分だけいい条件の仕事に移っておきながら、仕事がなくなったからって都合よく戻る。そんなお話はないですよ。
Rさんがファームのオーナーに問い合わせたんですね。
R:「Sさんが働きたいそうです」
オ:「いらない」
僕はよく把握してなかったんですけど、例の韓国人男性側のグループからもあまりよく思われてないかもしれないとSさんが漏らしていたそうです。そりゃそうですよね。自分だけいい思いをしようとしたツケですよ。
こうして孤立したSさんはバンダバーグに移動しました。
まとめ 「自分のことは自分で解決するという意思」は持ちましょう
人に頼るってのは楽ですけど、本当にハイリスクな選択肢だと僕は思っています。というのも自分自身ではコントロールできない範疇で物事が動いてしまうからです。ワーホリで何もできないまま日本を離れる人も多いかと思います。それ自体は別に良くも悪くもない。
ただ、少なくとも自分のことは自分で解決するという意思は持ちましょう。でないと、頼られる側 (この記事では僕のこと)が追い込まれた時に、良いように利用されて捨てられるだけですよ。
僕自身も頼られていただけで、世話をしなければいけない、養わなければいけない義務はないんですね。多少の罪悪感はありましたけどね。本当に追い込まれて、自分が生き残るということを考えた時にまず切り捨てるのは、お荷物になる人間。利用するのも頼ってくる弱い立場の人間です。
これがきっかけで、僕は余裕があるとき以外は人助けをしないと心から決めました。
特にファームって車持ちとそうでない人で立場がガラッと変わるので、こうした関係ができやすいです。それに仕事も不安定な場合が多いですし、より自分のことは自分で解決できないとやっていけないでしょう。運良く頼れる人がいればなんとかなる場合もあるんでしょうけど、頼られる側に余裕がなくなったら見放されるだけです。
だって、わざわざリスク負ってまで目的を持って日本を離れてきてるわけですから。たかがファームで知り合っただけの人間に自身の目的を捨ててまで助けるなんてことは普通しないでしょう。合理的に考えたらこれが妥当な判断ですよ。
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