先週、僕がプライベートで使用してるFacebookのタイムラインに「ついにここまで来たか・・・」と感じた残念な内容の記事が流れてきました。それはベネズエラの治安に関する内容のもの。
その記事中にシェア歓迎との趣旨が書かれていたので、今回はその記事をシェアするとともに、僕が約2年前に行ったベネズエラの状況と比較していくことにします。
ベネズエラの治安に関する記事
この記事は2016年5月に書かれたもので少し古いですが、コロンビアで日本人宿を経営してる江俣悠輔さんが綴ったものです。
<ベネズエラに行かれる皆さんへ> ※シェア歓迎
恐らく、かの国から一番近い、コロンビア唯一の日本人宿主として、そろそろ声を上げないといけないタイミングが来ました。ベネズエラ旅行を考え直してください。自分も元旅人ですので、長期旅行者が持つ「もっとすごいものが見たい」、「他の人が行っていない所に行きたい」という心理は十分わかっているつもりです。
ベネズエラにはエンジェル・フォールやロライマ等、旅人を引き付けてやまない魅力があるのは確かでしょう。もし「どうしても行きたい」という人がいれば、うちで貴重品を預かったりしたこともあります。
しかし、ここ数年の政治経済の混乱により、ベネズエラは旅行者が気軽に行ける国では無くなってきています。通貨ボリバルの暴落によって恩恵を受けてきた近年の旅行者も、それがベネズエラにとってどんな爆弾を抱えてしまっているのか、分からずに旅行されていた人も多いように思えて仕方ありません。
ただ物価が安いというだけで、自分が何もなかっただけで、他の人に気軽に勧めるのはちょっと無責任のような気もします。
実際、コロンビア人もベネズエラ人も、未だに多くの日本人バックパッカーがベネズエラを訪れていることに一様に驚きを隠せません。以前、うちに滞在したベネズエラ人5人全員が、その後コロンビアで職に就いていることからも、ベネズエラがどういう状況なのか分かりますし、生活の苦しさは彼らから十分すぎるくらい聞いています。
また、うちを経由してベネズエラに向かった人の中にも、強盗や窃盗に遭っている人が少なくとも6人います。うち一人は被害額が10万円以上になっています。さらに、その人達の半分はFacebook等で情報を共有していません。
つまり、良い経験だけでベネズエラを通過できた人の声ばかりが大きくなっている傾向にあり、被害に遭った人の経験が共有されていないように思えるのです。
現在、戦地以外での殺人率が世界ワースト一位の首都カラカス(http://www.worldatlas.com/articles/…)。 多くの旅行者はここを通過せずとも通り抜けられるという事実と、「国の治安は一つの都市のみで一般化できない」という旅人の経験則が、この事実の重要性から目をそむけさせているようです。
自分も多くの旅人から、コロンビアに近い「メリダは治安がいい」と聞いていましたので、逆にメリダでの治安悪化が感じられるようになった時が、ベネズエラ旅行を考え直す時だと思っていました。
そのタイミングが来てしまったようです。
先週、メリダで韓国人旅行者が殺されたという情報を複数の人から聞きました。昨日(5月8日)メリダに入った親しい知人がメッセージをくれましたので、共有します。※江俣悠輔さん本人から連絡がありました。実際には韓国人と日本人のハーフの方で、撃たれたものの死亡はしてないようです。
ベネズエラを長期で旅してメリダもかなり詳しい日本人の方にお会いしたのですが先週韓国人の男の子が一人メリダで殺されたそうです。(まだ裏付けは取っていません)
ただその人曰く、去年の年末と比べても治安がかなり悪化している、正直カラカスは気持ち悪くなるほどだそうです。
治安が良かったメリダもこの状況なので、もうベネズエラを去ると言っていました。
特にカナイマやロライマの玄関口の※プエルトオルダスでの強盗、恐喝の被害は後を絶たないらしくカラカスよりも危険という話でした。※サンタエレーナの間違えだと思います。プエルトオルダスはエンジェルフォール?僕はシウダーデルエステからエンジェルフォールに行きましたが、プエルトオルダスはその近くです。
僕もフィードバックしますが、もしベネズエラに入国したいという方が入れば
かなり割りに合わないレベルのリスクを背負うと伝えておいてください。もし、現在、ベネズエラ入りを考えている人、友人でベネズエラに行くことを考えている人がいれば、この投稿とともに、現在、治安が全国的に急激に悪化していると伝えてください。
何かトラブルに遭った時、警察はあてにならず、医者も国外退去している人が多いと聞きますので、そのあたりのリスクもすべて鑑みたうえで、「自己責任」で行ってください。自分は勧めません。
※の部分に関しては僕が修正しました。
ベネズエラってどこ?
ベネズエラは南米の北部にある国です。西はコロンビア、南はブラジル、東はガイアナと接しています。
ベネズエラの有名な観光地
ベネズエラで有名な観光地といえばギアナ高地ですよね。
世界最大落差を誇るエンジェルフォール
ロライマ山のトレッキングツアー
観光で旅行者がベネズエラに訪れる理由はこの2つがほとんどです。
そもそもベネズエラは治安が悪くて有名だった
僕が行った2014年10月もそうでしたけど、その時すでにベネズエラは治安が悪いことで有名でした。ベネズエラに行くことを旅先で出会った旅人に話すと「えっ、大丈夫なの?」と言われることも多かったです。ただ、その治安が悪い原因が腐りきった警察官というものだったんですね。
首都のカラカスは殺人や強盗もよく起きる街として有名です。世界三大凶悪都市といえば「ケニア・ナイロビ」「南アフリカ・ヨハネスブルク」「ベネズエラ・カラカス」ですよね?
カラカスの治安は非常に悪く、人口当たりの殺人事件発生率は東京の100倍を超える。2008年は10万人当たりの殺人事件発生率が130人となり世界最悪、2012年でも10万人当たり119人と世界3位の数字を記録している。
引用:Wikipedia
僕も腐りきった警察官に連行された
ベネズエラに滞在期間中、僕自身も個室に連行されて1時間ほどの取り調べを受けました。旅の終わりの方でほとんど現金を持っておらず、そもそも取るものがなかったのでしょう。特に何もなく終わったんですけどね。
エンジェルフォールのツアーを終えてロライマ山トレッキングのツアーに参加するためにBackpacker Toursのオフィスに戻る途中のこと。
サンタエレーナのバスターミナルに着いた僕は同じツアーに参加していた日本人男性の方と一緒にタクシーを拾うためにバスターミナルを横断しようとした。
すると、警察官が声をかけてきたんだよね。僕らは「これはヤバい・・・」と悟ったのか自然と早歩きになりタクシーを捕まえて乗り込もうとしたんだけど、間一髪のところで捕まってしまった。
個室に連行されると僕ら2人に対して警察官は3人。荷物の中を丹念に調べながら僕と一緒に行動していた日本人男性にひたすら聞き取り調査(ブラジル在住のポルトガル語が堪能な方だった。)
何を話しているのかわからなかったけど、1時間くらい拘束されたのち何事もなく解放された。
この時、僕は旅の終わりの方だったのでお金をほとんど持っていなかったのが幸いしたと思う。米ドルに関しては1ドルも持っておらず、ブラジル・レアルとベネズエラ・ボリバルしか持っていなかったのが不幸中の幸いだったかもしれない。もし、米ドルをたくさん持っていたらと思うとゾッとしたよね。
米ドルは徹底的に隠しておくことをオススメする。
ちなみに、サンタエレーナでは僕と同じ場所(バスターミナルにある個室)で入国料と称して400ドルを巻き上げられた旅行者にあったので、本当に気をつけたほうがいい。
これは僕がロライマ山のトレッキングに参加する前のお話で、サンタエレーナでの出来事です。
当時、僕の中では警察の荷物検査って一種のイベントのような感じでとらえてたんです。理由はベネズエラに訪れたほとんどの旅人が同じ目にあってるから。
いま思えば軽率だったように思います。相手は国家権力持ってますからね。それに腐敗しきってる。彼らはやろうと思えば僕に適当に難癖をつけて刑務所に放り込むことだってできるんです。今思うとぞっとしますよね。
ベネズエラで今、ものすごいインフレが起こっている
ベネズエラでは為替が固定制です。ベネズエラの通貨は「ボリバル」
公定レート
僕が行った時は1USドル=6.3ボリバル。現在は1USドル=10ボリバルになったようですね。
新しい為替管理制度について定めた為替協定35号が、3月9日付官報40865号に公示され、翌10日に発効した。これにより、今まで食料や医薬品などを輸入する際に適用されていた1ドル=6.3ボリバルの固定為替レートが、「保護された為替レート(DIPRO)の外国為替」と呼ばれる為替制度に基づく1ドル=10.0ボリバルの固定為替レートになった。また、「補足的なフロート制為替レート(DICOM)の外国為替」と呼ばれる為替制度に基づく為替レートが新たに運用される。DICOMの運用は、30日以内に開始するとしているが、詳細は不明だ。
ただ、これは公定レートと呼ばれる表向きのレートで実際は闇レートというものが存在します。
闇レート
2014年10月、僕が訪れた時は1USドル=80ボリバル。
これで約400ドル分。僕が当時両替したものです。実際はブラジルの通貨1000レアルを両替したものですが、米ドルになおすと約400ドルです。
その1年後。2015年9月末 1USドル=500〜850ボリバル。
ベネズエラでは、通過であるボリーバルへ換金する方法として、公式レートと闇ルートがある(正確にはもうひとつレートがあり3つある)。
公式レートは、1ドルが6.3ボリーバル。
闇レートだと、1ドルが最低500ボリーバル(※600~850ボリーバルで換金してくれる場所もある)。
なんと、闇レートで換金するとおよそ80倍もお得なのだ!
2016年9月現在
1USドル=約1025ボリバル
2015年9月初旬にベネズエラで300ドルを両替した旅人の写真がこちらのリンクに載ってるのでのぞいてみてください。もうビックリですよ笑
ちなみに、クレジットカードを使うと公定レートで計算されるのでとんでもない額になります。
※2016/12/13追記。
ついに、ベネズエラも過去のジンバブエのようにお札の桁数を大きくしはじめたようです。
BBCニュース – ベネズエラ、最高額紙幣を72時間以内に撤廃 密輸対策などで https://t.co/RqsKKYvPdj
そのうち、昔のジンバブエみたいになるんだろうな。
— Freestyle Traveler (@FreeS_Traveler) 2016年12月12日
「わかりやすいベネズエラのインフレ」
2013年にUS$20が629ボリバルだったのが、4年で約20万ボリバルに。 https://t.co/HOVD7keX39— ラウタ郎 (@lautarogodoy) 2017年7月29日
ベネズエラの経済は崩壊寸前
これだけのインフレが起きているということは、国がどんどん通貨を増やしてるということなので、通貨の価値は下がっていきますよね。
[カラカス 17日 ロイター] – 経済危機に直面するベネズエラのマドゥロ大統領は17日、通貨ボリバルの切り下げと国内ガソリン価格の値上げを発表した。ただ、景気対策としては不十分との批判が即座に上がった。
世界的な原油安でベネズエラの原油輸出収入は落ち込み、財政は悪化している。国家主導の経済政策の失敗により、インフレ率は3桁に達し、物資不足は深刻化。国内経済は危機に直面している。
物資は不足、ハイパーインフレ、国内経済の崩壊危機。この影響もあり、ベネズエラを退去する人も相次いでいます。
それでもベネズエラに行きますか?
僕が行った2年前、ロライマ山のトレッキングの拠点となるブラジルとの国境に近い街サンタエレーナではそんなに治安の悪さは感じませんでした。
注意するのはとにかく腐った警察官。これだけだったと記憶してます。最初に紹介した江俣悠輔さんの記事によると、現在はカラカスより危険かもしれないとのこと。それも警察官の悪行ではなく、強盗や恐喝。その上に警察官が腐ってますし、警察に頼ることもできません。
ここまできたら、ベネズエラへの渡航はやめたほうがいいでしょう。僕も江俣さんと同感です。ロライマ山の記事の最後に僕はこんなことを書きました。
ベネズエラは確かに旅がしづらい場所です。クレジットカードは使えない。だから米ドルをたくさん持ち込むと今度は警察に気をつけないといけない。など面倒です。だけど、ロライマ山はそれを凌駕するインパクトがあります。ぜひ行ってみてください!エンジェルフォールもオススメですよ!
僕はこの発言を撤回します。ベネズエラの治安は現在最悪レベル。今は絶対にやめておけ。
※2016/9/22追記 さいごに
僕がこの記事を書いてからしばらくして、江俣悠輔さんご本人から連絡がありました。(記事の引用をしたこともあり、事前にこの記事のことを僕から江俣さんに伝えていました。)
小田さんこんにちは。返信遅れてすみません。また、記事拝見させていただきました。もう一つその後分かったことなんですが、撃たれた韓国人とされる方は日本人と韓国人のハーフで、死亡はしていないようです。この記事を書いたあと、うちからベネズエラに行く人はほとんどいなくなりましたね。それでも忠告を無視して行った2人のうち1人は強盗に遭いました。ありがとうございます。
これでもベネズエラに行くという方は自己責任で相当な覚悟の上で行きましょう。僕なら絶対に行きません。
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